失敗しない塾の選び方

失敗しない塾の選び方。大事な視点を提供します。

まず、私坂本が何者かということを明らかにした方がよいでしょう。

  • 20歳:個別指導塾や中小の学習塾でアルバイトを始める
  • 25歳:プロ家庭教師として働き始める
  • 26~29歳:TOMASの親会社であるリソー教育で社員としても経験を積む
  • 30~42歳:代々木ゼミナールの専任講師としてトップレベルで教えにあたる
  • 42歳~51歳:東大個人指導塾の塾長として教えつつ、経営を手掛ける

要するに、20歳から子供たちに勉強を教え始め、かれこれ30年以上の教育経験があるということになります。

子供だけでなく、親御様との接触の中で、いろいろわかる経験値というものがあり、今回のテーマの内容も、大中小のすべての学習塾および個別指導塾での指導経験から語るものです。

なるべく、ポジショントークではなく、公平な見方から塾の分類とアドバイスをさせていただければと思います。ぜひ、塾選びの参考にしてください。

塾の種類は9種類ある、とお考えください。

「塾」といっても、時代によって、ここ30年間様々な形態が生まれており、ますますわかりにくくなっているのではないかと推察します。「説明を聞きにいっても、どこもいい話ばかり。結局どの塾を選んだらいいかわからない」とお考えの親御様が多いと思います。

塾によって細かい違いはあるものの、「塾の種類は9種類ある」とまずはお考えになるとわかりやすいかと思います。

※以下の記述はあくまでも私の「全体的な印象」であり、個々には多くの例外があることをご承知おきください。

1.大手予備校

規模の大きないわゆる受験予備校。代表例としては、河合塾・駿台予備校・代ゼミゼミナールなどがある。一言でいえば、「総合デパート」のようなもので、多くの講師と生徒がいる。

メリット 教える能力の高い講師の授業が格安で受講することができる。
デメリット 放任主義なので、自分で予習・復習がきちんとできるような、ある程度優秀で自律的な生徒でないと意味をなさない。

2.中規模予備校

大手までは行かないものの、それなりの資本がある中規模の集団予備校。早稲田塾・お茶ノ水ゼミナールなど、地域では有名な塾となる。アンチ大手の生徒が通いやすい塾。「中堅デパート」といった感じ。

メリット 大手よりはアットホームな感じがある。
デメリット 生徒の人数が少ない分、給与が安いため、本当に優秀な先生はいない。大手で講師間競争に負けたような先生が多い。野球でいうところの2軍選手。

3.地域密着集団塾

地域密着型の教室。先生は一人でやっていることが多い。その地域でしか知られていない。「家が近いから」という理由で通い始めることが多い。経営は素人で、塾長が全部の教科を教えていることが多い。

メリット 自宅から近いということ、塾長との距離が近い。
デメリット 塾長も含め、先生の質は低い。「安かろう悪かろう」の典型。

4.ネット予備校

東進ハイスクールを始め、スタディサプリなどがこの部類にはまる。映像授業がメインの塾。予備校業界の黒船として近年登場した。東進に関しては最古参の映像学習塾で、「自習室付きのスタディサプリ」と考えるとわかりやすい。

メリット 東進は除く、安価な料金で最高の講師の講義を視聴することができる。
デメリット 一方通行なので、モチベーションの維持が非常に難しい。「良い参考書」と同じで、講義内容を本当に理解できるかどうかは生徒の能力しだい。

5.個人指導塾

完全マンツーマンで指導を行う通える塾。TOMASがその代表例。当塾の東大個人指導もこの部類に入る。東大個人指導塾はTOMASの高品質・低料金バージョンとしての位置付け。「テレビを見る感じの」集団塾とは質感が全く違う。

メリット 勉強のモチベーション維持ができるのが利点。ほぼ確実に成績が上がる。
デメリット 料金が高額になりがち。また、先生によって効果にばらつきがある。

6.個別指導塾

個別に対応するという塾。教室で先生が巡回するパターンもあれば、1:複数での指導のものもある。「自立学習」といううまい言葉を付けたが、ようするに放っておいているだけ。共通のテキストがあり、基本、丸つけと指示のみ。

メリット 一人で自習をするよりは効果がある。
デメリット しっかりとした科目指導は行わないので、本当に力になるかどうかは不明。自習室の延長にあるものにもかかわらず、かなり割高となる。先生の質は低い。

7.家庭教師

先生が自宅に行き、1:1で教えてくれる伝統的な勉強の仕方。厳密には「塾」ではないが、個人指導の延長にあると考えてよい。1コマ2時間が標準的な時間で、交通費は別途支払うがの普通。

メリット 通塾時間がないのが最大のメリット。
デメリット 家庭教師業界には、学生であれ自称の「プロ」であれ、良い先生が非常に少ない。仮に、本当に力のある先生がいた場合は、かなりの高額になる。

8.自習室型塾

強制的に自習室に軟禁するような「塾」。基本指導は行わず、一人で黙々と勉強することになる。全体的に数は少ないが、目新しさがある。「強制自習室」とも言えるもので、自分を追い込むタイプの人向きか。

メリット 自習室よりは強制力がかかるので効果がある。
デメリット 一人で勉強しているにもかかわらず非常に割高。一人で勉強できる生徒にはよいかもしれないが、そもそも学力が低い生徒には意味がない。

9.通信教育

進研ゼミやZ会を代表とする、通信添削型の「塾」。定期的に教材が送られて来て、それをやって添削してもらう昔からある形の勉強方法。一応「塾」の部類に入れておいた。

メリット 塾に比べ安価なことが良い。うまく使いこなせればコスパは良い。
デメリット 継続できる人はほとんどいない。よほど意思が強く、継続力がある人以外はモチベーションが続かないため、途中で辞めてしまう場合がほとんど。

塾は「性格」と「学力」で決めなさい!

以上、9種類の塾の概要を説明しました。
そこで本題に入りますが、結局のところ「あなたのお子様にとって」どの塾がいいのか?という問いにお答えします。

それはズバリ、あなたのお子様の「性格」と現在の「学力」によって決めるのが一番いい、ということです。

具体的に言えば:

性格:集団好き or マイペース
学力:偏差値55以下 or 偏差値55以上

という区別です。

性格について説明すると、以下の様な特徴のことをいいます。

集団好き:人と付き合うのが好き。大勢の友達がいる。競争するのが好き。

マイペース:一人でいることが好き。友達の数は少ない。競争を好まない。

その上で、以下の表をご覧ください。↓

ズバリ。あなたのお子様には、この塾が合っています!

偏差値55以上 偏差値55以下
集団が好き 1.大手予備校(講師/高)
2.中規模予備校(講師/低)
3.地域密着集団塾(講師/低)
マイペース 4.ネット予備校(講師/高)
9.通信教育(講師/高)
8.自習室型塾(講師/低)
5.個人指導塾(講師/高)
6.個別指導塾(講師/低)
7.家庭教師(講師/低)

講師/高=講師のレベルは高い
講師/低=講師のレベルは低い

赤文字の塾形態がオススメになります。

※講師のレベルは給与の高さと比例します。優秀な講師は、給与の高い方にどんどん流れて行き、さらには苛烈な講師間競争を勝ち抜かなくてはいけませんので、自ずと大規模な塾に集中することになります。

その一方で、中小規模の集団塾では全体の売り上げ規模が大きくないため、講師に高い給与を支払うことができませんので、良い先生は残念ながらいない、とお考えください。

「いやいる!」と思う人もいるかもしれませんが、それは、比較の対象を知らないからです。一つの基準としてスタディサプリの講師授業を視聴されると良いでしょう。

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